2022年『チェルサイエ(CERSAIE)』について徹底解説!最新タイルのトレンドが分かる!


 以前ご紹介した『ミラノサローネ』の開催地イタリアでは、セラミックタイルと水まわりの世界的な見本市『チェルサイエ(CERSAIE)』も毎年開催されています!
 世界中の優れた建築家やデザイナーが手がける作品ばかりが並ぶので、見どころ満載!今年は特に「サステナブル」の考え方が重視されており、環境に優しい素材を使うなど各社で様々な工夫が見られるようです。
 この記事では「チェルサイエ(CERSAIE)とは何か?」から始まり、2022年版のトレンドや開催予定のイベントまで詳しくご紹介していきます。ぜひミラノサローネの記事とセットでお楽しみください。

 

 

 

 

チェルサイエ(CERSAIE)とは?

チェルサイエ
 チェルサイエ(CERSAIE)とは、毎年9月にイタリアのボローニャで5日間に渡り開催される世界最大規模のセラミックタイルと水まわり(キッチン、トイレ、浴室など)の国際見本市です。
 2022年は15,000平方メートルもの展示スペースに、世界134国の企業(2021年:約626社)から様々なデザインや素材のタイル・浴室等が展示されます。毎年110,000人以上の来場者を誇るタイルのビッグイベントであり、特にイタリア製タイルの文化や伝統・歴史・デザインを堪能したい人にとっては憧れの見本市となっています。

 チェルサイエに出展することは高品質の証とされており、世界中からデザイン性・機能性共に優秀な物ばかりが揃うため、様々な国の建築家、デザイナー、施工業者、バイヤー達から注目されています。また一般来場者のためのイベントも用意されているので、異業種の方や観光客などの人でも気軽に参加できますよ。

 


 

 

2022年度チェルサイエの特徴

チェルサイエ
主な概要

開催日:2022年9月26日(月)~9月30日(金) ※5日間

開催都市:イタリア ボローニャ

開催会場:ボローニャ国際見本市会場(ボローニャ中央駅から約2Km)

出展社数:2021年は626社

来場者数:2019年は112,340名以上 ※2021年は62,943名(コロナの影響)

開催周期:毎年 ※2020年はコロナにより中止

出展品目:セラミックタイル、床、壁紙、浴室家具、暖炉、サウナ、デザイナーズ水栓、浴槽、衛生陶器等



 チェルサイエの開催期間中には、タイルや水まわり製品の展示だけでなく、ここでしか体験できない趣向を凝らしたイベントもたくさん開催されています。実際に参加された際にはこちらもお見逃しなく!

▼昨年のチェルサイエに関する記事はコチラ▼
2021年のタイルの人気・トレンドは?イタリアの展示会『チェルサイエ(CERSAIE)』を紹介

 

 


会場見学にはオンライン上での事前登録が必要
 チェルサイエへの入場料はかかりませんが、事前に公式ホームページ(英語/イタリア語)から利用者登録(無料)を行う必要があります。実際に参加したい場合は、忘れずに登録をしましょう。

▼チェルサイエ(CERSAIE)公式HP▼
https://www.cersaie.it/en/index.php

 


2022年の最新トレンドを押さえよう!
  2022年は、白と黒のコントラストが美しいタイル、ダイヤモンドのような輝きや質感のタイルを取り入れたシックでエレガントな空間づくりがトレンドになりそうです。昨年は大理石柄の大判タイルがトレンドでしたから、少し雰囲気が変わりそうですね。

また、19世紀末~20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に起こった国際的な美術運動「アール ヌーボー」で生まれた自由な曲線や、すっきりとした幾何学模様などを取り入れた、ヴィンテージ・レトロな印象のバスルームにも注目したいところ。過去の息吹を感じるデザインは、現代のテクノロジーと組み合わさり、環境にもより良いものへとなっています。

 

「サステナビリティ」を意識した様々な取り組みにも注目
 サステナビリティとは“持続可能性”を意味する言葉で、チェルサイエ(CERSAIE)でも重要視されており、特にバスルーム家具や衛生陶器の分野では、持続可能性の問題や素材の選択に注意を払うことがますます急務になってきています。

 そこで今年は、サステナビリティ・エコロジーの名の下に、「リサイクルされた材料」で作られたバスルーム家具製品が好まれる傾向にあります。
 サステナビリティの観点で最も優れた素材として注目されているのは「セラミック製タイル」です。耐久性が50年〜70年もあることや、リサイクルが簡単にできる点が選ばれている大きな理由です。
 またその他にも、「再利用紙の段ボールによる梱包を行う」、「適切な加熱装置によりCO2削減を実現する」など、企業それぞれの創意工夫も多く見られます。各社がサステナビリティと真摯に向き合い、問題解決に取り組んでいることがよくわかります。

 

【豆知識】チェルサイエとミラノサローネの関係
 毎年4月に行われる世界的なインテリアの見本市『ミラノサローネ』。 チェルサイエは、このミラノサローネのトレンドに大きく影響を受けています。メーカーによっては、ミラノサローネで展示されたインテリアをそのまま取り入れるほどです。
 今年の6月に開催されたミラノサローネでは、SDGs・サステナブルといった「持続可能性」を内包するキーワードが特に意識されていたので、チェルサイエでもこの傾向は色濃く引き継がれるでしょう。

▼ミラノサローネに関する記事はコチラ▼
「ミラノサローネ2022」最新動画を公開!世界最大規模の家具の祭典を体感しよう

 


Cersaie Digital(チェルサイエデジタル)で世界中からチェルサイエにアクセス!
 チェルサイエでは、出展者と直接ビジネスができるデジタルプラットフォーム「Cersaie Digital」も用意されています。9月19日〜10月7日までの3週間に渡り、日本国内にいながら現地の建築事務所やデザイナーと繋がれる貴重な機会です。
 イタリア製のタイルや水まわり商品に興味のある業者の方は、ぜひ覗いてみてください!

 

 

チェルサイエ期間中に開催予定のイベント一覧

チェルサイエ
著名な建築家たちによる文化プログラム「Building, dwelling, thinking」
Building, dwelling, thinking(建築、住居、思考)は、建築とデザインに特化したチェルサイエの文化プログラムです。 毎年、世界各国から著名な建築家を招聘し、現在またこれから手がけるプロジェクトや現代建築の未来についての議論が交わされます。
 今年は家具や展覧会のデザイン、また都市計画や都市研究などの分野で幅広く活躍しているドイツの建築家マニュエル・ヘルツ氏がゲストとして参加される予定です。

 


世界的に有名な6つの建築事務所が手がける「Archincont(r)act」
 今年で3回目となるArchincont(r)actは、トレンドを生み出し続けている建築のプロフェッショナル達が手がける特別な展示スペースです。 世界的に有名な6つの建築事務所がプロジェクトに参加しており、「空気」と「水」をテーマに据えた没入感たっぷりのバーチャルリアリティを体験することができます。

<2022年版「Archincont(r)act」参加建築事務所>
ヘンデル・アーキテクツ|イオサ・ギーニ・アソシエイツ(IGA)|ロンバルディーニ22|ノア|ワン・ワークス|ピニンファリーナ・アーキテクツ

 


建築、デザイン雑誌23誌がサステナビリティを語る「Press Cafés」
 Press Cafésは、雑誌編集者と建築・デザイン界の第一人者による45分間の対話形式のイベントです。省エネやイノベーションに焦点を当てた新しい建築デザインから、屋外資材やプロジェクト、クリエイティブデザイン、バスルーム家具、ウェルネス、都市再生まで、近年の重要課題である「サステナビリティ」に特化した様々なテーマを取り上げます。

 今年のPress Cafésは新たな取り組みとして、チェルサイエ開催期間前である9月19日〜23日までの1週間、Cersaie Digitalのプラットフォームを使ってバーチャル形式で開催される予定となっています。
 
<2022年版「Press Cafés」参加雑誌>
Abitare, AD Architectural Digest, Around Water, Chiesa Oggi, DDN, Domus, Elle Decor Italia, IFDM, Il Bagno Oggi e Domani, Il Giornale dell'Architettura.com, Ingenio, Interni, l'Arca International, La Repubblica Design, NiiProgetti, Novità PR Communication, Platform, Quotidiano Nazionale, Suite, The Plan, Tile Brasil, Ville&Casali and VilleGiardini.

 


タイル施工のすべてが学べる「Tiling Town」
 Tiling Townは、建築家・タイル業者・ディーラー・測量士・エンジニアなどの業界関係者が、タイルの施工に必要な知識を専門家から学ぶことができる、とても実用的かつ有益なイベントです。具体的には技術に関するセミナーや、実践的なタイル施工のデモンストレーション等が開催されます。
 チェルサイエを視察する予定があり、またタイル施工についてプロから直接学びたいという業界関係者の方には、とてもおすすめなイベントです。

 


デザイナーに住宅の相談ができる「Cersaie Designs Your Home」
 「チェルサイエで、あなたの夢がプロジェクトになる。」がコンセプトのCersaie Designs Your Homeは、イタリアの有名なデザイナーが、住宅の購入やリフォームを考えている一般のお客さまを対象に、無料でインテリアデザインのアドバイスを行うという趣旨のイベントです。  「住宅に関しての専門的なアドバイスが欲しい」、「おしゃれなインテリアコーディネートをプロに提案して欲しい」と考える多くの一般客から人気を集めています。

 


四元素をテーマにした特別な展示「Cersaie Upstairs」※2022new!
 Cersaie Upstairsは、会場内の通路を四元素(空気・水・土・火)がテーマの特別な空間に彩る2022年始動のプロジェクトです。会場内を移動するだけで様々な視覚的体験ができるよう工夫されています。
 ギャラリー21-22間の通路では、先ほどご紹介した「Archincont(r)act」(「空気」と「水」をテーマにした展示)が行われ、 ギャラリー25-26間では、「土」と「火」という2つの要素にインスパイアされた、新しいデザインのVIPラウンジがお目見えします。こちらでは、来場者をより楽しませる視覚的な仕掛けとして「ビデオマッピング」が取り入れられるとのことです。

 

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現地協力スタッフ

kazue Nestola (カズエ ネストラ)


1964年生まれ。'86年東海大学建築科卒業。'88-'90年 ミラノ工科大学建築学科修学。'91年 渡仏 カンヌに遊学。'92-'98年 Studio Davide Mercatali 勤務。'98年 Studio Kazue 設立。

 CERSAIE – Salone Internazionale della ceramica per l’architettura e dell’arredobagno チェルサイエ 建築物のセラミックとバス関連アイテムのための国際展示会
 は、EDI.CER 株式会社のオーガナイズにより1983年からボローニャの展示会場でスタートしました。昨年のチェルサイエは、コロナの影響下にも関わらず、150.000平米の会場に626社(そのうち236社は海外から)が出展し、世界の134ヵ国から62.943人(そのうち24.019人が海外から)が訪問しました。
 建築家そしてインテリアデザイナーには不可欠な建築マテリアル。近年の必見は、最近の流行の大判デザイン壁紙スタイル・セラミック。毎年の流行に合わせて提案される、新く斬新なデザインは、それを見るだけで、これからの流行の方向性を感じることができます。
 ここでは、私が独断と偏見で選択したブースの動画撮影のみ担当させていただきました。動画編集およびコメント&記事はアスタス・スタッフの方にお任せして、素敵に楽しく仕上げていただきました。(ご苦労様です!感謝♡)
 この動画を通して、本年の建築デザインの方向性を、私と一緒に体感していただければ幸いです。


おすすめポイント

 床、壁、そして最近では家具の面材にまで使用されるセラミック。近年は、技術の進歩により素材感、色合い、全てが本物の大理石、メタルやウッドと見分けがつかないほどにまでなっています。そして何よりもセラミックの最大の利点はメンテナンス!殊に商業施設ではメンテナンスが楽なセラミックを利用するところが、急増しています。
 壁紙スタイルのセラミックを見ながら、こんな家具とアレンジしたら。。。と想像を掻き立てて、楽しんでみてください。



2022年おすすめブランド

ABK https://www.abk.it/it/
Porcelanosa https://www.porcelanosa.com
CR ceramiche https://www.cir.it
Panaria ceramica https://www.panaria.it
REFIN https://www.refin-ceramic-tiles.com

 

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