【2023年】年賀状の受付はいつからいつまで?書き方のマナーや文例も紹介!


 年の瀬が近くなり、そろそろ年賀状の準備をしている方も多いのではないでしょうか?せっかくなら、相手方にはきちんと元旦に届けたいですよね。また相手に失礼のないよう、正しい書き方のマナーも知っておく必要があります。
 そこで今回は、年賀状について徹底的に解説していきます!年賀状を出すべき期間や基本的な書き方はもちろん、間違いやすい点や喪中の場合などさまざまな疑問にお答えしています。また後半には文例集も載せているので、年賀状を書く際の参考にしてください!

 

目次
◯年賀状の受付はいつからいつまで?
・いつまでに届けば”年賀状”?
【豆知識】寒中見舞いについて
・年賀はがきの販売
・賀状の作成スケジュールを考えよう
・その他年賀状についてのよくある悩み・疑問
 1.年賀はがき以外のはがきを年賀状として使いたい場合は?
 2.出してない人から年賀状が届いたら?
 3.相手が喪中なのに年賀状を出してしまったら?
 4.海外に年賀状を送りたい場合は?

◯年賀状の歴史
・はじまりは平安貴族の文化だった
・庶民に広まった江戸時代
・現在のスタイルが確立した明治時代
・戦争を乗り越え再開へ

◯年賀状の書き方・マナー
・おもて面(宛名)
 ①住所
 ②建物・会社名
 ③敬称・肩書き
 ④朱書き
・うら面(文章)
 ①賀詞
 ②本文
 ③日付
 ④添え書き
・賀詞の種類
・年賀状でのよくある間違い
 1.賀詞を2つ以上使うのはNG
 2.日付と元旦を組み合わせるのはNG
 3.「去年」はNG
 4.グレーの文字や黒縁デザインはNG

◯年賀状に使える文例集
・目上の人向け
・家族・親族向け
・友達など親しい人向け
(参考)喪中はがき

◯まとめ

 

○年賀状の受付はいつからいつまで?

12月カレンダー
 年賀状を1月1日に届けたいなら、受付期間である12月15日〜12月25日の間に投函しましょう。この期間より前に出してしまうと、年明け前に届いてしまうことがあるので注意してください。
 万が一この期間に間に合わなかった場合でも、住所が近ければ26日〜28日までに投函することで元旦に届く可能性があります。ただし確実ではありませんので、元旦に届けたいなら早めに準備しておくことが大切です。

 



いつまでに届けば”年賀状”?
 年賀状が「年賀状」として扱われるのは、1月7日(松の内)までです。相手に届くのが1月7日よりも遅くなる場合は、「寒中見舞い」として出すのが一般的です。
 松の内とは”玄関に門松が置かれる期間”のことを指し、関西では15日までなど地域によって若干の違いがあります。そのため特に遠方の人へ年賀状を送りたい場合は、あらかじめ松の内の期間を調べておきましょう。

 

【豆知識】寒中見舞いについて
 寒中見舞いとは、寒さが厳しい時期に相手を気遣った手紙を送る日本の風習です。近年では年賀状の返信が遅くなった場合や、喪中の場合に送ることが慣例となっています。なお、寒中見舞いの期間は松の内の翌日〜立春までです。

 ・関東:1/7〜2/3
 ・関西:1/15〜2/3

 

 



年賀はがきの販売
 年賀はがきは毎年11月1日から発売され、1枚あたりの価格は63円(2023年11月現在)です。1枚73円する写真用や、68円の寄付金付きタイプもあります。
 年賀状を購入できる場所は、郵便局の他に、コンビニ、スーパーのサービスカウンターなどです。また金券ショップでは定価よりも安く手に入ることがほとんどなので、大量に購入したい場合はぜひ検討してみてください。

 



年賀状の作成スケジュールを考えよう
 年末は何かと忙しいので、きちんと年賀状の作成計画を立てておかないと、ついつい後回しになってしまいがちです。そこで年賀状の作成スケジュールを考えてみました。「今年こそは必ず元旦に届けたい!」と思っている方はぜひ目を通してみてください。

 ※年賀状の受付期間は12/15〜25ですが、余裕を持って準備したいので、今回は12月15日に投函することを目標にしています。
年賀状作成スケジュール
 ちなみに12月上旬に年賀状を書く時間がある人には、11月にうら面(メッセージ)を仕上げておき、12月になってからおもて面(宛名)を書くという方法をおすすめします。これなら万が一喪中はがきを受け取った場合でも、書き損じ分が出ないというメリットがありますよ。

 

 



その他年賀状についてのよくある悩み・疑問
 「年賀状の書き方」については後ほど詳しくご紹介しますが、ここでは書き方以外の「年賀状にまつわる悩みや疑問」について解説しています。

 

1.年賀はがき以外のはがきを年賀状として使いたい場合は?
 普通のはがきやポストカードなどを年賀状として送りたい場合には、必ず切手の下に「年賀」の2文字を、赤色で書くようにしてください。この文字は「朱書き」と呼ばれ、「このはがきは年賀状である」と判断する重要な目印となっています。
 朱書き付きのはがきを年賀状の受付期間内に「年賀はがき専用投入口」へと投函することで、きちんと元旦に相手の元へと届きます。
 ちなみに年賀状ほどポピュラーではありませんが、年賀状用の切手「年賀郵便切手」も郵便局から発行されています。年賀状の雰囲気を出したいなら、こちらも検討してみてはいかがでしょうか。
 ※年賀郵便切手を貼った場合でも、朱書きは必要です。忘れないように注意してください。

 


2.出してない人から年賀状が届いたら?
 なるべく早く返事を出しましょう。
元旦に受け取った場合、すぐに投函すれば松の内までに相手方へ届けることができます。もし松の内までに間に合わなさそうであれば、「寒中見舞い」として出してください。
 年賀状をいただいたお礼や、挨拶が遅れたことに対するお詫びを一言添えることも忘れないようにしましょう。

例文
    新年早々の嬉しいお便り ありがとうございます
    年末のあわただしさにまぎれ新年のご挨拶が遅れ 大変失礼いたしました

 


3.相手が喪中なのに年賀状を出してしまったら?
 年賀状を出した後で相手方が喪中であることが判明した場合、すぐに気づいたのであれば「取戻し」(配達取りやめ)の請求をしてみてください。近くの郵便局で受付ができ、早い段階なら取戻しが可能です。
 もしも間に合わなかった場合は、相手方に電話やメールなどですぐにお詫びの連絡をしましょう。
 その後は松の内以降に、「寒中見舞い」などでお悔やみを兼ねたお便りを出すと丁寧です。

例文
    この度は〇〇様ご逝去とのこと ご服喪中を存じ上げず
    年賀状を差し上げてしまい 大変失礼いたしました
    遅ればせながら 謹んで〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます
    まだまだ寒い日が続きますので どうかお身体を大切にお過ごしください

 ちなみに、自分が喪中の立場で、喪中をお知らせしていない方から年賀状を受け取った場合、または亡くなったタイミングなどにより喪中はがきが出せなかった場合も「寒中見舞い」でお知らせやお礼・お詫びをするのが一般的となっています。

例文
    新年のご挨拶をいただきまして ありがとうございました
    昨年◯月 〇〇(享年〇歳)が他界いたしましたため 
    年頭のご挨拶を遠慮させていただきました
    旧年中にお知らせすべきところ 遅くなり大変失礼いたしました
    本年も皆様にとって良い年になりますよう 心からお祈り申し上げます

 


4.海外に年賀状を送りたい場合は?
 年賀状は日本独自の文化なので、外国の住所に送る場合は、元旦に届く保証はありません。
ただ、はがきを送ること自体はもちろん可能です。
 外国へ年賀はがきを送る際には、以下のことに注意してください。

①はがきは横向きで使用し、上部に「POST CARD」、下部の空いているところに「AIR MAIL」と書く

差出人の住所・氏名を上部に、送り先の住所・氏名を下部に書く(日本と逆!)
 ※言語は英語/フランス語もしくは送り先の国でよく使われている言語を使用しましょう。

7円切手を貼る

 

 

年賀状の歴史

年賀はがきを見る
 私たちが生まれた時から文化として根付いていた年賀状ですが、その始まりを知っている人はあまりいないのではないでしょうか。
 ここでは年賀状の歴史を、平安時代から現代にわたり解説していきます。

 



はじまりは平安貴族の文化だった
 年賀状について書かれている最も古い文献(2021年現在)は、平安時代の貴族、藤原明衡が手紙の文例集としてまとめた「庭訓往来」だとされています。この中に”年始の挨拶”という項目があり、この時代にはすでに年賀状のような文化があったことがわかっています。
 
 平安時代には、お世話になった方や親族に新年の挨拶をしてまわる「年始まわり」の文化が根付いていました。しかし、挨拶に手紙を使うのは一部の貴族だけであり、さらに送る相手は、遠方に住んでいる方だけに限られていたようです。

 



庶民に広まった江戸時代
 江戸時代になると、寺子屋で字の読み書きを習うようになったこと、また飛脚が広まったことになどより、庶民も手紙で挨拶を交わすようになりました。
 さらにこの頃、正月には玄関先に「名刺受け」を置き、家主が不在の際にはそこに新年の挨拶を書いた名刺を入れてもらうという風習ができました。

 



現在のスタイルが確立した明治時代
 明治6(1873)年に「官製はがき」が登場し、明治20年ごろには年賀状を出すことが一大ブームとなります。
 「年賀状は元旦に届けたい」とみんなが思っていたため、年末には一斉にはがきの量が増え、郵便局で働く人の負担は大変なものだったといいます。そこでこの状況を変えるため、「年賀郵便」の特別取扱が導入されることになりました。

 



戦争を乗り越え再開へ
 昭和10年ごろ、年賀状の数は億通を超え、ピークを迎えます。
 しかし数年後の日中戦争をきっかけに、物資不足などの理由で年賀郵便が禁止となってしまいました。その後昭和20年に終戦を迎えたものの、年賀状の復活には数年かかることになります。
 本格的に文化として戻ってきたのは、年賀郵便が再開した昭和23年から1年たった後で、のちに戦後の復興を願って「お年玉付き年賀はがき」が誕生しました。

 

 

 

 

年賀状の書き方・マナー

年賀はがきを書く
 ここからは、年賀状の基本的な書き方やマナーをみていきましょう。よくある間違いも載せているので、合わせてご覧ください。

 



おもて面(宛名)
年賀はがき_記事_表
①住所
 都道府県名は省略せずにきちんと書きましょう。

②建物・会社名
 数字は縦書きならば漢数字(一二三)、横書きならばアラビア数字(123)を使うのが一般的です。

③敬称・肩書き
 誰宛かによって、敬称を使い分ける必要があります。

 ・個人は「様」 ※連名の場合は1人ずつ「様」を付ける
 ・会社や部署は「御中」
 ・会社の肩書きがある方には「社長」「部長」など 
 ・恩師や医師、弁護士など「先生」(親しい場合は「様」でも可)

 肩書きに敬称をつけて「社長様」「部長様」などとするのは間違いです。失礼になるので気をつけましょう。
 
④朱書き
 年賀はがき以外のはがきを年賀状として送りたい場合、この位置に赤で「年賀」と忘れずに書いてください。年賀はがきにはあらかじめ記載されているので、追加で書く必要はありません。

 



うら面(文章)
年賀はがき_記事_裏
 ※年賀状の文章には「、」「。」といった句読点をつけないのがマナーです。句読点は終わりや区切りを連想させるので、年賀状にはふさわしくないとされています。

①賀詞
 新年を祝う言葉を冒頭に書きます。目立つように大きめの字で書きましょう。

②本文
 本文には大きく分けて「日頃の感謝へのお礼」「相手の健康や幸せを祈る言葉」「今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉」の3つを書きます。
 結婚・妊娠・出産・転勤など、人生の大きな転機をお知らせする場合もあります。

③日付
 新年の年号と日付を書きます。西暦・和暦どちらでも構いません。

④添え書き
 相手の方へのメッセージを簡潔に添えることで、よりもらって嬉しい年賀状にすることができます。具体的な要件は避けて、「今年はお会いできたら良いですね」などのように一言二言でまとめるのがスマートです。

 



賀詞の種類
 賀詞にはいくつもの種類があり、相手との関係性によってどれを使うべきか決まっています。代表的な例とともに確認しておきましょう。
賀詞の種類

 



年賀状でのよくある間違い
 細かいことですが、うっかりミスが原因で失礼をしないように注意しましょう。

 

1.賀詞を2つ以上使うのはNG
 より丁寧にしたいからといって、例えば「謹賀新年」と「明けましておめでとうございます」を一緒に書いてはいけません。年始のご挨拶が重複してしまうことはマナー違反です。
 デザインがプリントされている年賀状には賀詞が書かれていることが非常に多いため、特に注意してください。

 


2.日付と元旦を組み合わせるのはNG
 「元旦」は、「一月一日の朝」という意味の言葉です。そのため「一月一日 元旦」と書くと意味が二重になってしまいます。
 「◯年 元旦」とするのが正しい表現です。

 


3.「去年」はNG
 年賀状には、避けるべき”忌み言葉” がいくつかあります。去年の「去」の文字はお祝いの場面にふさわしくないので、代わりに「昨年」「旧年」と表しましょう。

<代表的な忌み言葉>
 去る、避ける、衰える、枯れる、倒れる、滅びる、破れる、失う

 


4.グレーの文字や黒縁デザインはNG
 おしゃれなデザインにしたい場合でも、グレーの文字や黒縁のデザインは、お葬式や弔事を連想させる可能性があるため避けるのが無難です。

 

 

年賀状に使える文例集

 年賀状にそのまま使える例文(賀詞を除く)を、相手との関係性別にいくつかご紹介します。どんな文章を書くべきか迷っている人の参考になれば嬉しいです。

 

目上の方向け
 旧年中は 公私にわたり格別のご厚情とお力添えを賜り 厚く御礼申し上げます
 本年も お世話になることと存じますが 変わらぬご指導ご鞭撻のほど
 心からお願い申し上げます

 旧年中は大変お世話になり ありがとうございました
 今年も変わらぬご指導のほど 心からお願い申し上げます

 新年を迎え 皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
 本年もどうぞよろしくお願いいたします

 平素より並々ならぬご厚情を賜り 心より感謝申し上げます
 幸多き一年となりますよう お祈りいたします

 ご無沙汰しておりますが お元気でしょうか
 こちらはなんとか元気で 新年を迎えることができました
 まだまだ寒い日が続きますので くれぐれもご自愛ください

 旧年は大変親身なご指導をいただき ありがとうございました
 本年も変わらぬご指導と末長いお付き合いを お願い申し上げます

 



家族・親族向け
 昨年は娘の○○(名前)がお世話になる事が多く ありがとうございました
 また 旅行に行った際に頂いたお土産も 大事に使わせていただいております
 今後も家族でお伺いする機会があると思いますので その節はまたよろしくお願いいたします

 昨年は中々お目にかかれませんでしたが その後もお健やかにお過ごしのことと存じます
 またご都合のよい折にお目にかかることができれば幸いです
 体調管理には十分注意していただき お風邪など召されませぬようお気をつけくださいませ

 帰省した際には大変お世話になり ありがとうございました
 本年もよろしくお願い申し上げます

 旧年中は格別のご高配にあずかり 誠にありがとうございました
 本年も貴家御一同様にとりまして 幸多き年となりますよう 心よりお祈り申し上げます

 ご無沙汰しております ご家族の皆さんはお変わりありませんか
 こちらはおかげさまで 家族一同元気に過ごしております
 今年もよい一年になりますよう お祈り申し上げます

 



友達など親しい人向け
 前回お会いしてからだいぶ月日が経ちましたが お元気にされていますでしょうか
 育児にお仕事にと大変お忙しいと思いますが どうぞご自愛ください
 お互い時間がある時に また飲みにいきましょう

 旧年中は公私にわたり 大変お世話になりました
 これからも一緒に 仕事も趣味も楽しんでいきましょう
 本年もどうぞよろしくお願いいたします

 昨年は大変お世話になりました
 今年もお互いに幸せがいっぱい訪れますように

 いつも遊んでくれてありがとう
 また会えることを今年も楽しみにしています
 また近いうちにご飯いきましょう

 元気にしてますか 身体に気をつけてお互い頑張りましょう
 たくさんの幸せが訪れますように

 

(参考)喪中はがき
 新年の御挨拶申し上げるべきところ 亡父の喪中のため御遠慮申し上げます
 今年中に賜りました御厚情を感謝申し上げますとともに
 明年も変わらぬ御厚誼のほどお願い申し上げます
 時節柄 御自愛のほどお祈り申し上げます

 喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
 祖父 〇〇(名前) が◯月◯日に 〇〇歳で永眠いたしました
 生前に賜りましたご厚情に 心から御礼申し上げます
 明年も倍旧のご交誼をお願い申し上げます

 

まとめ

 年賀状の本来の目的は「相手に日頃の感謝を伝えること」「変わらぬお付き合いをお願いすること」です。現代の私たちには手紙よりもっと便利で手軽なツールがたくさんあるため、わざわざ手間も時間もかかる年賀状での挨拶は面倒に感じるかもしれません。
 しかし年賀状は、手間がかかっている分、メールにはない温かみや、相手を慮る気持ちが伝わりやすいのではないでしょうか。
 手紙の文化が下火になっている今だからこそ、大切な人にはぜひ年賀状を送ってみてください。

ASTAS
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