【連載】レコードのある暮らし vol.2


連日暑い日が続きますが、こんな時は家でレコードを聴いてまったりと過ごしては如何でしょうか?
さて、前回記事(レコードのある暮らし vol.1)で、レコードの楽しみ方についてお伝えしましたが、今回は実際にレコードを聴いてみようとしたときのレコードプレイヤーを選ぶポイントについて紹介していきます。

レコード選びのために、必要なものをおさらい!

レコードプレーヤーでレコードを聴くためには、次の5つが必要になります。
1.ターンテーブル、2.トーンアーム、3.カートリッジ(針)、4.フォノイコライザー、5.スピーカーです。それぞれ簡単に説明します。
レコードプレーヤーのターンテーブル


1.ターンテーブル:レコードを乗せる台のこと。
レコードプレーヤーのトーンアーム


2.トーンアーム:カートリッジとレコード針を支える部品。バランスを取ると共に、針部分に適切な圧力をかける働きを持つ。
レコードプレーヤーのカートリッジ


3.カートリッジ:「針」と「針の振動を拾い電気信号に変換する装置」が一体になっているもの。
レコードプレーヤーのフォノイコライザー


4.フォノイコライザー:カートリッジで読み取った電気信号を増幅させる装置。
レコードプレーヤーをスピーカーで聴く


5.スピーカー:音を出力する装置。


なんだか難しく聞こえますが、これら全てが一体になっているものも発売されています。中にはスピーカーやフォノイコライザーが別途必要なものもありますので注意しましょう。


 

 

自分のこだわりで選ぶ!

 では、それを踏まえて次にレコードプレーヤーの選び方です!レコードプレーヤーの種類は多数あります。
 そこで、自分のこだわりに合ったものから選びましょう。

・とりあえず金額!  
初めて買うものはとりあえず、ということで金額面を気にする方も多いでしょう。  
そういう場合は「エントリークラス(入門機)」をオススメします。価格はだいたい1万円前後で、メーカーによっては6千円〜7千円のものもあります。一体型になったモデルが多数あり、それだけで簡単に聴くことができます。
お手頃価格のレコードプレーヤー


・やっぱり音質!  
音質 にこだわって聴きたい方には、カートリッジの取外しができる「ユニバーサルタイプ」という種類のトーンアームのものをオススメします。
「ユニバーサルタイプ」のトーンアームは、カートリッジの交換ができるので好みの音質にすることができます。  
また、フォノイコライザーやスピーカーが別売になっているものもオススメです。値段は一体型になっているものと比べると高くなりますが、カートリッジの交換よりも簡単で、高音域や低音域を強めたりと変更することができます。
音質のいいレコードプレーヤー


・簡単に聴ける!  
手間無く簡単に聴きたいという方には「フルオート」がオススメです。
フルオートはその名の通りスイッチ1つでアームが動き再生し、再生後にはアームが戻ります。何か作業をしながら再生するときにアームが戻ってくれるのはとても便利です。値段も1万円前後〜とお手頃です。
簡単に聞けるレコードプレーヤー



・デジタル機器関連で選ぶ!
デジタル関連機能は最新のレコードプレーヤーならではのものです。USB端子があり、USBメモリあるいはPCと接続して、レコード音声をデジタル記録できるモデルも増えています。CDを超えるハイレゾ音源として記録できる高性能機もあります。   
また、Bluetooth機能があるものも。Bluetooth音声送信機能がついているものであれば、Bluetoothスピーカー、ヘッドホンなどで楽しむことができます。     
レコードならではの音を持ち運んで聴くのもいいですよね!
デジタル機能が充実したレコードプレーヤー

 

 

再生方法の違いで選ぶ!

ベルトドライブ式のレコードプレーヤー

・回転ムラが起こりにくい「ベルトドライブ式」
ベルトドライブ式は、モーター軸の回転をゴムベルトを使ってターンテーブルに伝える方式です。
ベルトがモーターとターンテーブルの間に入ってモーターの振動を吸収し、レコードプレイヤーの雑音を防いでくれます。そのため周りの影響を受けずによりきめ細やかな音色が楽しめます。発売されている種類も多めで低価格モデルも多数あります。
欠点は、ベルトの劣化等によってレコードの回転数が不安定になること。ゴムベルトは消耗品で、使っている間はもちろん、未使用期間であっても劣化が起こるため、回転速度が遅くなってしまったらベルト交換が必要です。


ダイレクトドライブ式のレコードプレーヤー

・回転と停止がスムーズな「ダイレクトドライブ式」
ダイレクトドライブ式は、モーター軸に直接ターンテーブルを結合させて回転させる方式です。
モーターの回転力を直接ターンテーブルに伝達する仕組みのことで、速度や音程を自由に操作できます。故障頻度が少なく、メンテナンスの頻度も少なくて済みます。スイッチを入れてから回転するまでと停止するまでがスムーズで、特にDJでは積極的に採用されています。
欠点は、ベルトドライブ式と比べると高価なこと。また、モーターのわずかな振動がターンテーブルに伝わってしまい、その振動をレコードプレーヤーが「雑音」として拾ってしまうこと。そのため、ベルトドライブ式と比べると、どうしても音質に差が出てしまいます。


このように、あなたが何にこだわるかによってレコードプレーヤーの選択は大きく変わってきます。あなたがより良いレコードのある暮らしをするための参考にどうぞ。  
次回は、インテリアとしてのレコードについてを紹介します。 ご期待下さい!
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▶︎ 【連載】レコードのある暮らし vol.1
▶︎ 【連載】レコードのある暮らし 最終回

 


f.d.c (佐藤 雄紀)
f.d.c (佐藤 雄紀)

f.d.c. [frank design communication] は、 2016年ASTAS発足時に、他分野で活動するデザイナー同士で結成されたデザインチーム。 主にASTASのWebサイトのデザイン・編集・更新を担当。様々なジャンルのプロジェクトや創作活動を行っている。