大好きな素材に囲まれたい!
空間とのバランスは?
何から選ぶ?
空間を考えるとき、最も多くの面積を占めるのが、床や壁や天井です。しかし、どんな素材でどのように仕上げるのでしょうか?
途方に暮れるほどその選択肢はあります。なりたいイメージが想像できていれば問題はありませんが、この想像がハッキリしていないと選びきれません。
自分の中で、これだけは!という強い要素があれば、イメージはブレずに、空間はまとまっていきます。
床や壁や天井を選ぶための理由があれば良いのです。
例えば・・・
この素材が好き。この素材と暮らしたい。
木や石、タイル、鉄、ステンレス・・・お気に入りの椅子、照明器具、植物、本、CD、鍋、やかん・・・
大好きなものに囲まれて過ごす時間は充足感で満たされます。
住宅の場合の多くは、工程の問題や簡単には変えられないという理由などから、まず床や壁や天井を選び、次に設備・家具・窓回り・・・と仕上げを選びます。
とはいえ、この順序でと言われても何をどう選んでいけば良いのでしょう?
工程に支障のない時期であれば、逆からの展開でも良いのです。
例えば・・リネン。
長く使い続けるほどに柔らかく独特の風合いが生まれるリネン。光を受けて深い奥行き感を醸し出し、自身の重みでとろりとしなやかに揺れるその素材は、温かく心地良い空気を生み出します。その強さと美しさからホテルのリネン類、洋服、寝具、テーブルクロス・・・と世界中で愛用されています。
組み合せる素材でイメージは変わる。
同じ素材を用いても、組み合せる素材で様々なイメージに変わります。
case1.
例えば・・このリネンと壁紙と椅子貼りが好き
A案
ミモザの濃い色の床材とシックなタイルを合わせて"レトロモダン"なイメージに。
B案
メープルのクリアな床材と高級感のあるタイルや染色した扉材を合わせて"ポップシック"なイメージに。
case2.
例えば・・このリネンとファブリックが好き
A案
ウォールナットの木目を生かした床材とシンプルなタイル、素材の色数を限定して"ミニマル"なイメージに。
B案
床材や扉の塗装色、タイルなど全体を男性的な素材や色でまとめて、女性的でインパクトのあるリネンを1点投入。"ミックス感"を楽しむ余裕のあるイメージに。
身近に肌に触れるものやイメージしやすい好きな素材から展開させて、空間全体の仕上げを考えていくのもひとつの方法です。
しかしながら、空間とのバランスをしっかりと把握することは、その順序には関係なく、とても重要なポイントです。
家具・窓回り・照明など、存在することをハッキリとさせる場合には、形状や質感、空間に対してどのくらいのボリュームになるのかなど、空間を引き立てるために十分に考慮する必要があります。
そしてまた、そこは完成ではなく、その空間に住まうことで少しづつ仕上がっていきます。
大好きな素材に囲まれたい!
素材を選ぶ過程こそ楽しみたいものです。
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写真提供/マナトレーディング株式会社