ペットと暮らす


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今やペットも家族の一員    

 現在、全国で飼育されている犬猫の数は1979.1万頭(ペットフード協会/2015年調べ/犬:991.7万頭、猫:987.4万頭)
 一方、15歳未満の子どもの数は推計で1605万人(総務省/2016年調べ)
 今やペットの犬猫は、子どもの数の1.2倍以上となっています。これほど多くのペットが飼われるようになったのは1990年以降かもしれません。(厚労省の《犬の登録頭数と予防注射頭数等の年次別推移》によると1980年の犬の登録数は318万だったのが、現在はその3倍です。)

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 また、2001年以降、飼育場所の選択肢(室内or室外)がある一戸建てにおいても犬の「室内飼い」が増え(大阪商業大学論文より)、現在では猫の室内飼育は64.3%(およそ3世帯に2世帯)にまで上昇。犬も室内飼育(46.2%)が屋外飼育(44.2%)を上回っています。(ペットフード協会/2015年調べ)

 こうなると、もはや家の中でペットと暮らすことは普通のこととなりつつあります。一部のマンションではエントランスポーチ近くにペットの足洗い場があるところも出来てきました。
 一方で、ペットと暮らすことを前提につくられた住宅はまだ少なく、人の都合や好みで設計されたものの中でペットが暮らしているのが実情です。

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人とペットの都合の折り合い    

 そこで問題になるのが、人とペットが暮らす上での折り合いのつけ方。人の都合とペットの都合、これらをうまく解決しなければ大変なことになってしまいます。ペットには入って欲しくない場所まで入ってきて危険な目にあったり、暮らす上でのストレスが溜まって家族の留守中にいたずら行動にでたり。

 人が暮らす家を設計するだけでも家族構成やその方の価値観、性格によって様々な家のプランがあります。ペットと言っても犬なのか猫なのか、あるいはウサギや鳥なのか?また、その種毎の習性や個々の性格によってもどんな空間、素材がいいのかも当然異なるので、そのあたりをよく考慮した上でプランを考えたいものです。

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猫と暮らす    

 例えば、猫。(ここでは大雑把に猫とだけしておきます。実際は人と同じように同じ種でも個々に異なるので、それらを見極めた上で計画しましょう)

 夏目漱石の《我輩は猫である》に出てくる自らを我輩と呼ぶ猫の暮らしは、明治の家屋を住まいにしていたということもあり、自由気ままに近所の《二弦琴のお師匠さんちの三毛猫》や《車屋の黒》といった猫たちと交流し、人間社会を眺めていました。
 しかし、近年はマンションで飼うことが多くなり、そんな他所での交流という機会も期待できず、ほとんどを飼い主の家の中で過ごすこととなります。

 猫は比較的、与えられた場所において自分の好みの場所を見つけ出す順応性がありますが、できれば次の点に気をつけ既存の部屋の中に設えを付加してあげればストレスの少ない暮らしができるのではないでしょうか。(=いたずら防止や健康維持につながります)

 1=木のように登れる棚
 2=高いところを飛び移れる離れた棚
 3=部屋を見下ろしながら歩ける梁のようなもの
 4=小さいトンネル付きのドア(自由に行き来できること)
 5=外を見下ろせる窓辺
 6=爪研ぎできる板
 7=カラダがちょうど収まる小さなスペース
 8=猫が落ち着ける場所をトイレ場所に。換気扇があるとなお良い。
 9=近づいて欲しくないエリアのガード

 もしも、家を新築される予定があれば、家族と同様にはじめから考慮されるといいですね。(犬や他のペットと暮らす場合の留意点については別の機会に)

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泰田 康司
泰田 康司

広島市(爆心地近く)出身、モノゴコロつく前から平和記念公園(設計:丹下健三)が遊び場であり、原風景。 1990年九州芸術工科大学卒業後、株式会社GKデザイン総研広島にて公共や民間の外部空間デザイン (駅前広場や公園から建築外構まで)を数多く手がける。 2007年独立後も公園から個人住宅庭まで豊かな暮らしを支える空間づくりを行っている。 2016年よりアスタスメンバーとして参画し活動を開始。